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 人類を守ることは、自然環境を守ることです。そのためには、自然環境というものが如何なる状態であることが守られているということになるのかを確認する必要があります。  従って、自然環境をつぶさに観察しなくてはなりません。
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2024.04.23 Tuesday
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2013.10.17 Thursday
9月27日から28日の浜松市での研修の内容を下記に発表します。

平成25年度森林インストラクター現地研修会に参加して

 9月28日(土)~29日((日)「アカマツを主とした天然林と天竜林業地の見学」のため浜松駅に向かった。前日東京に所要があったので、東京都内に泊り、当日は早朝出発し、浜松には午前10時まえに着き、集合時間13時まで3時間ほど駅前を散策した。

 なかなかモダンな街だ。何時ものように観光案内所で県と市の地図をもらい、駅ビルの書店に入り、郷土コーナーで浜松市のことを調べた。

 平成の大合併で浜松市は、天竜市ほか幾つかの町村を飲み込み、著名な森林地帯を手に入れ、その時の公約で農林業地帯の開発を計画したが現在中止され問題視されていた。

 13時に藤田久男NPO森林インストラクターしずおか(以下当会)理事長出迎えのもと貸切バスで県外からの参加者14名(ハプニングがあり、1名現地直行)が今日の目的地県立森林公園(S40年県有林215ha天竜奥三河国定公園の特別地域指定)に向かう。

 台風20号一過のため、さわやかな秋晴れのなか遠州路を50分ほどで公園内のビジターセンターであるバードピア浜北(屋根はプランツ・ルーフで青々した草で覆われていた)に到着する。

 ここで地元参加会員の19名と県外参加者15名計34名が合流し、5班に分かれ、この天然のアカマツ林を主体とした森林内を観察した。

 この日2冊の本がプレゼントされ、1冊は井上隆(当会の前理事長)著「万葉の樹木さんぽ」、もう1冊は当会発行「静岡県立森林公園樹木ガイドブック」で、このガイドブックを片手に歩いたが、よくできた本で昨年11月20日に井上隆氏資料作成により園内350種類のうち約280種類が83ページにわたり記述されている。

 私は、1班で井上隆総括リーダーのもと2時間半ほど歩いたが、アカマツは松くい虫の被害で見る影もない状態で、一部景観の良いところには薬剤注入で元気な松もあった。最近までは薬剤の空中散布で抑えていたが、住民の反対で中止した結果とのことでした。

 園内は実に整備され、暖帯林(シイ類、カシ類)の中に暖帯南部~亜熱帯(ヤマビワ等)や温帯(オオウラジロノキ等)の樹木があり、私のような東北人にとっては非常に興味のある森林であった。

 その後当会の活動紹介が宿舎「森の家」で1時間ほどスライドを通して行われたが、実に活動的なものであったが、NPOとしての性格かインストラクター登録者数約120名中当会会員は46名と組織率は40%弱であった。

 夜は、19~21時まで夕食を兼ね交流会、21~消灯時まで雑談会と秋の夜は熱気を帯び、雑談会では森林インストラクターの名称変更まで飛び交う盛況だった。

 翌朝は、6時から有志の樹木観察であったが、私は一人5時から県森林・林業研究センターを訪問し玄関前の昭和32年に植栽された巨大なセンペルセコイア(レッドウッド別名セカイヤメスギ)に魅入り、周辺を観察した。

 朝食後8時30分に宿舎をバスで出発し、10時に瀬尻国有林(学術参考保護林)―写真1-に到着し、ここで佐山光則天竜森林管理署長から高齢級すぎ展示林の説明を承けたが、126年前植栽の大口径すぎ林は、素晴らしい天竜林業見本でした。ここは、金原明善翁が、冶水のため明治19~31年に700ha近く植栽したものの内3haが残ったもので、まさに天竜杉の見本でした(905本、2,682立米、平均直径50cm、平均樹高34m))。側にこの展示林で一番大きい杉があり、それの直径、高さ、材積を当てるクイズが行われ、何人かの方が管理署で準備した賞品(干しシイタケ、天竜杉割り箸)をゲットした(直径88cm、高さ46m、材積9立米)。この大きな杉は、現在価格では10万円位だが、過っては40~50万円で今日の林業経営の難しさを象徴している様でした。  

近くに沢があり、その水のきれいさに驚きました(分水嶺は近くとのこと)。来る途中の秋葉ダムなどの台風による泥水と比べて、この様な美林の環境保全力を実感した。

 昼食は、龍山ふるさと村という民宿食堂で食べたが、かってここは天竜林業の地で、50軒の住居があり、栄えたものの今はここ一軒のみとのこと。主人は、レコードマニアで懐かしい昭和の曲をかけてくれ、さらに古い写真集を出し、50年前のことを話してくれた。ここの駐車場広場のふちにホソバシャクナゲが何本も植栽されており、近くにその群生地が県天然記念物に指定されていた。

 食後、同じ地区にある最後の研修地スギ人工林の間伐地に向かい、1時間ほど今井保隆(有)天竜フォレスター代表から地籍図と森林簿により現場を見ながら今施業している間伐について説明を聞いた-写真2-。かなり手入れされた林地であり、天竜林業の見本ではあるが、価格の低迷、林地所有者の意欲、売れる材の確保、間伐後の保全、全伐後の植栽等多くの課題について話された。特に鹿の被害の大きさに今後の課題があった。また、同社の若い職員から浜松市の森林のFSC FM 認証について説明があり、市の約70%は森林で、その35%がFSC FM の認証を受けているとのことでした。20数名の従業員、事業売上2億円弱の同社に大きな期待を願いました。

 午後2:30予定通り研修が無事終わり、帰路につき、龍山町の険しい山道を下る途中の傾斜50度以上の土地の茶畑を、また100m以上も深い谷を目にしたとき森林を守ることの大変さを思いました。

 定刻通り、15:30に浜松駅に着き解散となり、しずおか会の皆さんの設営に深甚な感謝を思いました。今回の研修会は、私達森林インストラクターにとっては、原点に帰るものと実感しました。   

写真1


写真2
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